原点を振り返る24

こんにちは!ジーンズソムリエ&Brand directorの雑賀です。

アナログ企画からMD企画へ

今回の内容は、ちょっぴりお仕事モードな内容です!
試行錯誤しながら、HIT商品を作る事だけに専念していましたが・・・(;^ω^)

 

当初、WORLDではアンタイトル等の百貨店SPAキャリアブランドが好調で、会社全体の売上を牽引していました。ですから、百貨店向けのロジックは充実していましたが、SC(ショッピングセンター)ブランド向けのロジックは全くありませんでした。

EMPは急成長していたので、会社からも注目され出して、色々と資料や報告書をあげないといけなくなってきました。ただでさえ忙しいのに、報告書まで手が回る訳がありません。

しかし、そうもいってられなくなり、まずは百貨店SPAブランドのロジックを参考にしながら、SCブランド版のロジックを作成し出しました。

 

その作業は大変でした。何故なら、今まで私の前任者のMDが生まれ持った嗅覚でアナログに構成していたからです。
この嗅覚を社内のSCブランド共通で使えるロジックに落とし込むのが急務だと言われ、ブランドの数字を管理するブランドMDと毎日遅くまで話し合いました。

 

【1つ成功事例が出来ると、すぐに横展開する】のが一つの流行りでした。

それともう一つの流行りが【マンパワーは要らない!そのポジションに誰が配属されても出来る様に業務をマニュアル化する】という事。

これは、発注ロジック等の数字関連ならわかりますが、企画開発のソフトな部分はあくまで個人技です。感覚なんて人それぞれ違います。一流ブランドもデザイナーを変える事でよりソフトを変化させ、ブランド力を磨き進化させていきます。

私は、前任者のMDの感覚をとても高く評価しています。
その土台を生かして、いろんな企画にチャレンジしました。EMPは土っぽいどろっとしたカジュアルなんですが、そこにレースやギャザー・スパンコール等のキラキラ&フリフリのガーリーな要素を盛り込みました。それも、その土っぽい雰囲気を残しながら(笑)すると・・・
大爆発!!大ヒットしました。

中でも、【レースキャミソール】は週売りが4000枚近く安定して売れる大ヒット商品だったので、一社だけでは生産が追い着かず、2社に分けて発注していました。しかし、A社とB社では消化率が違うんです。B社よりA社の方が爆発的に売れるんです。

さて、問題です!それは何故でしょうか?

 

A社

 

IMG_1237

 

B社

 

IMG_1236

(画像はイメージ写真です)

 

答えはお分かりになりましたでしょうか?

 

答えは・・

レースを同色に染めているか、白く残しているかの差・・・でした(笑)

 

デザインも素材もサイズも全く同じ!でも、たったこれだけの事で大きく消化率は変わります!いかに強化品番の開発が大変か…(;^ω^)

 

この時期はそのMDロジック思考で、百貨店SPAブランドが大成功したので、デザインもMDロジックにしようと思ったのでしょう。

こういう事例を上げながら、何とか強化品番ロジック等も作成しました。でも、これは流動的なもの。時代が変わればトレンドも変わります。それをブランドに落とし込むのはロジックではなく【感性】です。

【感性】だけは個人技だと私は思います。デザイナーはこの【感性】を評価される職種だと思います。それがブランド力となり、ブランド価値が出来るのです。
MDロジックも企業ブランドには必要不可欠ですが、それだけでブランドになる訳がありません。

 

 

MDロジック企画 SET率UP術

絶対外せない戦略商品をセットで提案出来る様に、究極のコーディネートを考案し、店頭で並べて陳列します。BODYやTハンガーに掛けて誰にでもわかるセットアップを目立つ場所に打ち出します。

SCは入店されるお客様が多いので、接客ありきの商品なんて見向きもされません。

当時は「自動販売機で売れる商品力が求められる」と言われてました。

・パッと目につく。
・誰にでもわかる着こなし方。
・人を選ばないシルエット。
・明日着れるスタイリング。
・セットで購入して①¥5000以内・②¥10000以内

 

上記を加味して考案した強化品番ロジックのほんの一部が下の画像です。
【OEM主体】のブランドだけに、単品性はあるけど、スタイリング性が弱いので、とにかくスタイリングを頭で組みながら開発しました。

EMPは100店舗を超えるマンモスブランドにまで急成長しましたので、立地の幅が大きい為、スタイリングのTOPSのみ、本命企画として「都会用=トレンド要素・大」、その裏で保険企画「田舎用=トレンド要素・小」も仕込みます。そして、本命企画のヒット率が低い場合は保険企画にチェンジして貰える様にしました。

意外と⁈売上が伸びないのを一週間指を加えて見てられない性分なんですよ~(笑)

 

FullSizeRender

 

こんな感じで失敗と成功を繰り返しながら、SCで幅広い客層から指示されるテイストを打ち出す事が出来ました。この時期にSCブランドの先駆者的ポジションに付けた事が今でも糧となっています。

EMPに異動と言われた時、落ち込みましたが、こんなチャンスに恵まれていたんですね。
○レ㈱の部長さんに「時代の流れに乗れ!」と背中を押して頂いた事、的を得たアドバイスをして下さって、今でも感謝で一杯です。

 

【人間万事塞翁が馬】といいますが、ホントその通りですね。辛い・嫌だと思う事ほど、実は自分の登竜門で、乗り越えた時に幸せが味わえる…。こうしてBlogを通して振り返ってみるとしんどい時・迷った時もあまり落ち込まず、流れに任せながら楽しい方を選んでいけばいいんだな~(^▽^)と改めて感じました。

 

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