激動の2020年を振り返る

新しい生活様式が始まる

今年はコロナで始まり、コロナで終わると言っても過言ではないでしょう。

 4月に緊急事態宣言が発表されて、百貨店・店舗は閉鎖。今から春物が売れ出すという時に、予想だにしない状況に陥りました。

インフルエンザなら熱や湿気に弱いので、遅くとも梅雨の頃には落ち着きますが、コロナは真夏になっても第二波・第三波・・・と未だに収束のメドが立ちません。

 飛沫感染防止に、マスクやアクリル板は必須となり、不要不急の外出は控えるようになり、仕事も学校の授業もオンラインを取り入れ、新しい生活様式が誕生しました。

 旅行・飲食・アパレル業界は大打撃を受け続けていますが、暗中模索しながら次の時代に対応すべく進化しています。

 

ブランド・洋服も本質を問われる時代へ

海外ファストファッションも淘汰された今、『ブランド』は虚勢を張る道具、『トレンド』を適度に追いかけて、無難にいよう・・・という思考から、洋服の『本質』を見極める思考にシフトしているように思えるのは、気のせいでしょうか?

 Z世代では『にわか』という言葉がよく使われます。

にわか』というのは、「突然に」「一時的に」といった意味をもつ「俄かに」から生まれたもので、よくも知らないくせに周りから取り残されないように、特定のマンガやアニメのファンとして公言する人を指します。

にわか』と認定された暁には

「アイツはただの『にわか』だな。」

と、さりげな~くその会話から外されていきます・・・。

そんな具合に、「どこがどのように好きなのか?」 「それをどこまで追求し、何を感じたか?」までを、SNSなどでも語り合う世代なので、ググって得る情報レベルを語ったところで、その薄っぺらさはすぐに伝わってしまいます。

これだけ情報過多な時代だけに、人の心に刺さる本物の情報と、そうでない情報は一瞬にして振り分けられる、まさに【本質を見抜く時代】が到来したようです。

2021年は「表現」をテーマに

この『コロナ禍』を通して、リアルとオンラインの融合を目指し、リアルでしか出来ない事、オンラインでしか出来ない事をすみ分ける事で、本来、お客様にお伝えしたかった事を再確認出来ました。

 しかし、それはあくまで、ただの「伝える手段」であって、本当に見直さなければいけないのは、その奥にある『本当の思い=経営理念・ブランドコンセプト』がとても重要だと思います。

ただ『トレンド』をこなすだけでは、もう通用しない。

そこに、どんな思いを持って、どんな意図があってそうしたのか?

これがしっかりと根底にある事!その次に、一貫したCONCEPTで『伝える技・表現方法』が必要となってきます。根底に何もないのに、それっぽい事を発信しても、底の浅さが透けて見えるだけ!

 「これからはオンラインだ!」と、とりあえず動くのではなく、まずは自社の経営理念やブランドコンセプト・自分自身をじっくり内観し、引き出していく事で、目先の売上やスケジュールに追われて忘れかけていた『思い』を再確認する・・・これが今最も重要だと思います。なぜなら、これがないと何をしても人の心に響かないからです。

【ファッション】も、世界情勢に大きな影響を受けます。

それは、ファッションが「こうなりたい!」「こうでありたい!」という、人の夢や希望を可視化するモノだからです。

『TREND』を和訳すると『流行』

『流行』を英訳すると『ファッション』

こう考えると、『ファッション』と『TREND』は、とても密接な関係があります。

これまでは、Paris Collection等の海外ブランドの『TREND』を、ただ鵜呑みにして、『日本のファッション』を創っていました。しかし、コロナ禍で海外情報の影響力は一気に弱まり、『TREND』という魔物から解き放たれるチャンスが訪れました。そう!今こそ、ピンチはチャンス!!

こんな時だからこそ、『TREND』という外側だけの捉え方ではなく、内側からにじみ出る『思い=CONCEPT』を表現するファッションブランドにシフトし、2021年は、多くの人に夢や希望を伝えていく業界になれば・・・と思います。

『TREND』に流されるのではなく、自らが生み出し、発信するものへ。

弊社も、ただ外側だけを飾り盛るのではなく、内側にあるものを引き出し、その思いを新しい表現方法で示していく事をテーマとし、更にブランディング・デザイン・モノづくりを追求していきたいと思います。そして、テンション上げて、どんどんチャレンジしていこうと思っております。

今年も大変お世話になり、ありがとうございました。

皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

⇊ 機内から見えた富士山がとても綺麗だったので、サムネイルにしました。