原点を振り返る16

SPAブランド級のLTでの企画が始まった

いよいよCORDIERも時流に乗って変化し始めました。
ブランドの中堅デザイナーで結成した「現物企画チーム」での企画開発。
それは、初期企画で好評だったゾーンの横展開や営業要望等、確実に数字に繋がるデザイン中心で、今までの様な独自性や素材の特性を生かしたデザインは全く求められませんでした。

 

初期展では、テーマやMAPを理解し、素材を触り、どう表現するか?どう落とし込んでいくか?そういういわば、Art的な発想やセンスを求められ、そこを各デザイナー達が徹底的に追求したものをコーディネーターのフィルターを通してまとめるという企画開発でした。
しかし、現物展はそれをなぞって企画するので、ソフト系の確認は全くなく、コストや納期等のハード系の確認事項がクリアになれば評価される企画開発・・・最初はそんな印象を受けました。いいデザインかどうかを評価する人はいません。言い換えれば

<デザインの良し悪しがわかる人がいない=どうでもいい>

そんな風に感じる事さえありました。それほど、売上重視をした物作りでした。
考え方が180度違う、正にマイナスのデザイン法でした。
それを不満に思って、異動を希望する方も数人いました。

 

私はコレクションデザイナーではなく、企業デザイナーの道を選びました。
それは、プレタポルテクラスの服のデザインで人を幸せにしたい!と思ったから。

確かに、デザイン性を重視されない事に若干の抵抗もありましたし、不安もありました。
でも、時代の流れに乗りながら、まずは与えられた場所で出来る限り努力しようと思いました。

 

 

所詮、売れてなんぼ!売れないと意味がない。

この組織になった頃、私は3年目から4年目になるところでした。デザイナーとしてはまだまだですが、仕事の流れは把握出来てきて、ようやく1人で動ける様になった頃でした。
そんな時でしたから、正直、自分の意志でデザインした物をMDと相談しながら形にしていくのは、とても勉強になりましたし、楽しくてやりがもありました。
それに、企画したものがすぐに本生産されるので、結果がわかりやすく、すぐにフィードバックされるので、どんどん売上を牽引する商品を開発する事が出来ました。

当時、LIZAという直営店が20店舗程あり、そこの売上データは毎週月曜日に更新されます。
その売上ベストテンを見るのが楽しみで仕方ありませんでした(笑)

 

よく、MDから「若いんやから、面白い企画も出してええねんで!」といわれました。多分、デザイナーとして言いなりではなく、自発的に発想する場を与えてあげようという親心でしょうね(笑)私も、何か奇想天外な企画が出来ないかと考えました。

CORDIERは上品でエレガントな比較的BASICなデザインなので、あまり奇抜なデザインは好まれません。そこで思い付いたのが

【セーターと同じ糸で作ったコサージュ】

です!

ニットのコサージュといっても、かぎ針でするともっさくなるので、当時のメイン素材の糸とラメ糸を引き揃えて2重臼で天竺編みにした編地をノリ付けして布状に加工し、カメリアの様な仕様で作りました、端を切りっぱなしにするので、物性が心配でしたが、ノリ付けしているのでほつれもなく見事合格!

メイン素材のセーターやカーデと合わせて付けて頂くだけで、華やかですし同素材同色のニットのコサージュなんて、今までなかったので飛ぶように売れました。これは、POの売上第一位を16WもKeepし、ニット製品の売上を牽引しました。

 

売れてなんぼや!売れないと意味がない!

 

こうして、企画したものが売れて実績が出来るとドンドンやる気が出てきます!それは、今から思えば、私がまだデザイナー経験が浅く、半人前だったからかもしれません。MDからしても、言われる事も素直に聞き、チャキチャキっと動くのでベテランより使いやすいでしょうしね(笑)

 

 

・・・でも、こんな充実した?デザイナー4年目の半ばで、人生最大の分岐点!大きな事件が起こってしまいます!!!

 

 

この続きは、また次回書かせて頂きます!
今日も最後まで読んで頂き有難うございました~♡

 

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