ジーンズソムリエ&Brand directorの雑賀です。
半年の育児休暇明けました。
半年の育児休暇中に2回も組織変更がありました。
仲良かったデザイナーの先輩のほとんどはSPAブランドに異動されていました。その上、BIGサイズのブランドと統合され、そのブランドのデザイナーの方が多くなっていました。
育休前は基幹ブランドらしく、カリスマコーディネーターが発信するディレクションを基に各デザイナーがアイテムに落とし込みながらデザインしていくので、一つのフィルターを通す事で統一感があり、テイスト分類も規則正しくされていました。
又、CORDIERは99%が1年目から配属された生粋のCORDIERデザイナーなので何となくタイプも似ていました。自分でいうのも何ですが(笑)従順で多言はしない静かなタイプでした。(芯はかなり強いです!)
上司もとても品位品格のある方で、デザイナーチームの忘年会等の宴会も大皿料理をみんなで食べるのは苦手だそうで、いつもフレンチコース料理。2次会なんかありません(笑)
私はそんな気品あるチームの雰囲気が大好きでした。
それが激変(苦笑)
また以前の様に、穏やかに楽しく仕事が出来ると思っていたのに…。
早速、異動する事になりました!
CORDIERは上品で上質、シンプルなデザインが特徴です。ディテールがゴチャゴチャ入ったデザインは合いません。
他のブランドから異動してきたデザイナーは、そこが面白くないとか、意味がないとか…(^^;; 自分のデザインを否定された様な気になって面白くなかったのでしょう。
もう統一感なんてものは全くなく、みんなバラバラ…。
《先輩》「デザインがシンプル過ぎてわからないわ。こんなんデザインしてるって思えない!ちょっとデザイン画見せて〜?」
《私》「…。」渡す。
《先輩》「何これ?こんなの編み地のデザインやん!ニットのデザインとは言えないよ!」
《私》「…。」
《先輩》「ホントに減らし目しかないね、こんなデザインしか教えて貰ってないの?これじゃデザイナーとして実力つかないよ!私、◯年間ずっとニットだったから私に色々聞いてね、私に!」
《私》「…。先輩のデザイン画見せて下さい!」
《先輩》「どうぞ!」渡す。
《私》「…。」 心の中で『すみません(苦笑)無理!何一つ教えて頂かなくて結構です!!』
瞬時に拒絶反応が出ました…。
一気に憂鬱になりました。良い悪いではなく私にとっては苦手な感覚でした。だから、この先輩も同じ位CORDIERのデザインは苦手だと思います。しかし、企業にいる限りは配属されたブランドで力を発揮しなければなりません。しかし、元々所属していた方より新しく異動してきた人の方が声がデカいので、ゴリ押しがまかり通ってしまう様になってきました。
『ゴチャゴチャ言う暇あるんなら感覚覚えたら?』って思いますが、そんな事はせず、前任者を否定しまくって自分を肯定し、デザイン修正する様子は全くなし!(苦笑)
今の私なら余裕で完全無視しますが(笑)当時はまだ若かったので、先輩に言われたらその通りにしないといけないと思い込んでいました。この環境が苦痛で苦痛でたまりませんでした。
同期のデザイナーは私以外全員辞めていました。その気持ちがようやく理解出来ました。
『これ、辛いわ…。染まるのも嫌だし反発するのも嫌だし…そりゃ辞めるわ〜。』と思いました。
自分の好きなデザインテイストで人間関係も恵まれていた育休前の環境は奇跡だったんです…。後にも先にも、あんな平穏な職場環境はありませんでした。
当時、まだ小さい子供を保育園に預けるだけでも、かなりの罪意識があり、ホントに辛かった。毎朝、保育園に長男を預けて号泣してました。『ゴメンね…。』とずっと心の中で謝りながら仕事していました。自分勝手ですが、納得できない仕事の為に子供を預けて働く事はしたくない…。
この社歴で育休明けのデザイナーはいないので、前例も相談相手もなく、もう精神的に限界でした。
将来、子供に堂々と胸を張って自分が頑張ってやり続けた仕事を語れるように、身の振り方を考えよう…。
そう思っていたある日、職種は違いますが、同じ部署の頼りになる先輩と2人で話していたら、冗談半分で
《先輩》「若いのにCORDIER復帰なんか10年早いわ〜!私でも戻って来るのに4年かかったのよ!外に出て苦労しといで!」
《私》「異動⁈異動したいです!どうしたらいいんですか!異動の仕方がわかりません。」
《先輩》「部長に言えばいいのよ!あの人は情深いからいい部署見つけてくれるわ。」
《私》「有難うございます!もう今日言います。」
《先輩》「これを機に色々見ておいで!CORDIERがどんだけ素晴らしいブランドかわかるわ。」
《私》「はい、私も今はその方が良いと思います。ここにいても納得できる仕事が出来ないです。」
《先輩》「そうやね…。デザイナーチームはリーダー不在で面白くないやろうね。」
《私》「はい。何か大好きだった上司やデザインを否定されて虚しいです…。今のままだと私、腐りますわ〜(笑)せっかくなんで、もっと実力付けてきます!」
この助言に救われました。
異動を決心した瞬間、猛烈にヤル気モードに切り替わりました。そして、その日の昼間に部長に異動願いをしました。
そして、その翌月、めでたく異動が決定しました!
続く。