原点を振り返る25

OEM90%ブランドの物作り

こんにちは!ジーンズソムリエ&Brand directorの雑賀です。

アパレル業界でのOEMは、大体、希望納期の2ヵ月前から仕掛ります。

  1. 8W前          商社やメーカーが自社背景の生地・サンプルをアパレル企画に提案。
  2. 7W前    それを基にデザインを決定し、サンプル依頼する。
  3. 6W前    サンプルUP/コスト提示
  4. 5W前    発注
  5. 4W前    生地UP
  6. 2W前    縫製UP/納前サンプルチェック
  7. 1W前    検品/通関
  8. 0W     第三者検品/納品
こんな流れで、企画から納品まで全てOEM先が動き、アパレルはデザイン決定とコスト交渉のみ。
企画提案の際、通常、商社やメーカーは素材で提案します。
しかし、この頃からアパレル側の企画は専門知識のあるデザイナーではなく、店頭で実績をあげたカリスマ販売員がバイヤーとなって、商談に立ち会うようになりました。
だから、生地や糸を見せて提案しても、物作りの経験が全くないので、どんな物を作ればいいのかわからない。
その為に、提案素材でサンプルを縫って提案しないと採用されません。
商社やメーカーは、
「生地見せても、物が想像できないから決まらない。」
と言って、デザインの研究もする様になりました。
私は心中、とても複雑でした。
『素材・縫製等のファクトリー系だけでなく、ソフトも出来るようになったら、私達アパレルは物作り全てのノウハウを失ってしまう・・・。』
それだけは阻止したい!
他社が提案する物をそのまま依頼するなんて、裸の大様もいいところ。
自分のブランドは自分で舵取りしたい。
でも、EMPアパレル企画は4人。私以外は20歳そこそこのヤングバイヤーでした。
この組織の強味を出すにはどうするべきか?
そう考えると、やはり企画を全て1からする事ではなく、上手くセレクトする事でした。
EMPのような、SC型ヤングブランドはスピード命。
ここに拘りの強い融通の利かないデザイナーがいても正直、役に立ちません。
だから、この組織・メンバーがベストなんだと思いました。
このバイヤーという位置付けの若さ溢れる人達をどう活かすか?を考えました。
ヤングバイヤー3人は、とてもいい子でした。そして、いつもツルんでいました。
キャピキャピ3人で話しているのを見て、2チームに分けようと決意。
そして、MDと相談の上、一番若い20歳の超元気っ子バイヤーを私のアシスタントに任命し、後の2人は若干お姉さんだったので、1人にはボーイッシュカジュアルゾーン、もう1人にはOL層狙いのエレガンスカジュアルゾーンのバイイングをお任せする事にしました。
元気っ子ヤングバイヤー達は、仕事を任され、大喜びでした(笑)

恐るべし!20歳バイヤー

EMP急成長で日々の業務に明け暮れてましたが、ようやくチーム結成し、分業を試みる事を決意しました。

それは、OEM先がとてつもなく力を付けて、企画まで手を伸ばしてきた事に危機感を覚えたからです。

『企画だけは自社でやる!』

バイヤー達とのミーティングを週次業務にし、お互いの商談の進捗を報告する様にしました。
その時に半年毎に分けて、テーマ設定に基づいて、自分はどんなデザインを展開したいか、プレゼンして貰う様にしました。

しっかり企画する意志を持って欲しいのと、まず自分で考える癖をつけて欲しいと考えたからです。

すると、バイヤー達は一生懸命写真や雑誌の切り抜きを持って来て、面白いプレゼンしてくれました。こうして、目線を合わせて色々意見交換する企画も楽しいし、ある意味、消費者目線とも取れるので、とても企画が強くなってきました。

そして、そこで決定した企画の方向性やテーマの詳細を、各自メーカーに伝えて、それからメーカーに提案して貰う様にしました。

すると、私達の企画に、更にメーカーの企画が入る事で、様々な視点・アイデアが加わり、より強くなりました。

これが、アパレルなのにOEM90%ブランドが出来る最強の企画!
OEM先に0から提案されるのではなく、あくまでブランドの意志に沿って提案して貰い、より多くの視点・アイデアを盛り込む事で、人数の少ない企画チームを強化出来る流れです。

それに、専門知識のないバイヤーも、作りたい服を明確にイメージして伝える事でメーカーとの商談でも企画の意図をしっかり伝える様になりました。

 

それにしても、20歳のバイヤー・O子はメチャメチャ面白かったです(笑)
熊本出身のとても純粋で可愛い女の子なんですが…(;^ω^)

<O子>「雑賀さ~ん、専務と常務、どっちが偉いんですか?」
<私> 「なんで?」
<O子>「だって雑賀さん、偉い人から順に宛名を書くって教えてくれたじゃないッスか?」
<私> 「…。お父ちゃんに聞いて!」

なんて珍会話は日常茶飯事!

FAXの宛名は『○○部長さんへ』『O子より』

と記入されてます…(笑)
まあ、若さと愛嬌で許されていました(;^ω^)

物凄いプレッシャーで全然笑う事が出来ず、超~怖いキャラだった私も彼女のおかげで、しょっちゅう大爆笑する様になりました!有り難い♡

 

私のその様子を見て、諸先輩方に

「珍獣使い」

と命名されました(笑)

 

 

ジーンズソムリエProduse 美脚にこだわった機能性ジーンズブランド Luccvar

 

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