原点を振り返る⑧

タイトルとは全く関係ありませんが・・・

昨日は家族で《ニッポンのマンガ*アニム*ゲーム展》を観に、兵庫県立美術館に行ってきました。

1980年代の王道のヒーロー、ヒロインが登場する作品から、最近の初音ミクや艦コレまでぎっしり展示されてて大興奮~♡

インターネットの普及により、マンガ・アニメ・ゲームがどう変わったか?を分析したりと、見応えたっぷりでした。

やっぱり、美術館はいいですね~!リフレッシュ出来ました(^▽^)/

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いよいよ 初!展示会

各色サンプルが届きました!

一点サンプルを修正し終えてしばらくすると、色展開したカラー全てのサンプルが上がってきました。それらのサンプルが展示会場に届くと、メインディスプレイ・ゾーン別・素材別に並べて、バーチャル的な店舗イメージで陳列します。

各色サンプルは、一点サンプルからは想像もつかない位、完成度が上がっています。もちろん、そのサンプルで受注を取るわけですから、完璧な状態でないといけません。

 

 

展示会場で届いた段ボールからサンプルを出していると、そこに営業担当の男性陣がちょこちょこ現れました。

 

<営業> 「お!新人!!今回の展示会はどうや? 売れそうか?」

<私>  「はい。」

<営業> 「君がデザインした服はある?」

<私>  「ないです~!」

<営業> 「そりゃそうやな!笑」

 

なんて感じで、気軽に話かけてくれてたので、やっぱり営業の方は人当たりがいいし何気ない会話も上手だな~っと思いました。

 

 

 

サンプルを出し終えたら、いよいよカリスマコーディネーター登場です!!!

 

 

そして、企画の重鎮を引き連れて、VMDの方々と夜中まで

“あーでもない こーでもない“

とディスプレイし、翌日の展示会説明会の準備をされました。

 

 

1995年 5月展はCORDIER KNITの歴史を塗り替えた!?

展示会説明会当日、カリスマコーディネーターは、CORDIER部 企画・営業・生産含めた、総勢200人弱の前に立って、5月展の全体のテーマやメインスタイリング、今年のトレンド動向等を説明しました。

そして、各セクションごとのデザイン説明に入りました。

まずは、KNIT。そして開口一番

 

「今回から、CORDIER KNITの肩パットは全てなくします!!!!!」

 

どっひゃ~~~!? と会場はどよめきが起きました。

 

当時まだミセスのTOPSには、ほとんどガッツリ肩パットが入っていました。

ちょっと肩先が丸い大きな肩パットが、なで肩の日本人女性特有の体型をカバーしてくれて、洋服をかっこよく着こなす肉地盤のような存在、なくてはならないとされているものでした。

 

しかし、イタリアでは、もうすでに『肩パット入りのKNITは古い!』とされていて、体の自然な骨格のシルエットで肩を主張しないTOPSが定着しつつありました。

 

 

確かに、イタリアを始め、海外ではそうかもしれませんが、伝統あるCORDIERで、しかも顧客層が大好きな肩パットをなくすなんて、何てチャレンジャーなのでしょう!

 

カリスマコーディネーターは、営業部に必死で説得しましたが、結論的には、やはりそれはかなりハイリスクなので、

 

CDは薄い肩パットを取り外し可能な仕様に変更。

POはインナータイプは無し、一枚着タイプは薄い肩パット取り外し可能な仕様。

 

となりました。

 

が、次回の展示会では、完全に肩パット無しになりました。カリスマコーディネーターの威力とパワーには本当に驚かされました。

 

後日、アシスタントをしている時にカリスマコーディネーターと2人になるタイミングがあったので、私は勇気を出して質問してみました。

 

 

<私>  「何故全て肩パットを取る必要があるのですか? 肩パットが必要なお客様もいるし、ハイリスクだから、取り外しが出来ればそれでいいんじゃないですか?」

<コーデ> 「CORDIERが肩パット入りのKNITを出している事が問題なの。そんな時代錯誤な仕様で出すようなブランドではないのよ。それに、良く考えて!本当にKNITに肩パットはいる?ニットの上にジャケットを着て、その上にコートを着たらどうなる?その時点でもう肩パットが三枚も重なってるのよ!」

<私>  「・・・本当ですね。要らないです。」

<コーデ> 「でしょ。ずっとそうだったから必要だと思い込んでしまってるの。知らず知らずのうちにね。人間って今までの常識を覆すのは恐怖なのよ。でもクリエイターはそんな事恐れてたらダメ!かといって、トレンドに流されるのもダメ。自ブランドに必要か必要でないかをしっかり見極める力が必要なの。」

 

 

もう、私は言葉が出ませんでした。

 

 

今になって、このカリスマコーディネーターの凄さが良くわかります。

常に明言を避け、自分にリスクがない様に立ち回る人は沢山いますが、ここまで自分でリスクを背負い、引っ張っていく女性はそういません。

当時のワールドには、この様な頼もしい女性がいました。そして、会社もデザイナーを大事にしていたので、発言権も影響力もありました。

 

今では考えられません。

その5年後には『服にデザインは要らない!』と、ダッさ~い格好で、ホザくバカも社内に出現してきましたし・・・(笑)

 

オッと(;^ω^) 毒吐いてしましそうなので、この続きは次回に~(o^―^o)