原点を振り返る⑤

<カリスマコーディネーターのアシスタント時代>

これぞ!CORDIERカリスマコーディネーター

組織上、ニットテキスタイル担当 兼 ニットデザイナー の私は、5月になると、更に仕事が増えました。それは、CORDIERデザイナー・パタンナー束ねる、カリスマコーディネーターのアシスタント業務です。

 

朝一番、大量の付箋が貼られた高額な海外誌を「これ全部綺麗にカラーコピーしてね。」と渡され、コピー室へ。すっごい量・しかもカラーコピーは当時とても時間が掛かるものでしたので、下手したら一時間は戻れません。

それに、ただコピーするだけでは自分の時間が勿体ない!

で、カリスマコーディネーターの付箋のページをガン見!!(笑) それは、次の展示会テーマのイメージマップの資料だったのです。

伊・仏の入手困難な情報が盛りだくさん!!! 私はもう感動で

『こんな資料をカリスマコーディネーターとほぼ同時に見れるなんて♡何て幸せなんだ!!ずっと新人でいいや(笑)』

 

そんな事を思いながら、早速コピー室にノートとペンを持ち込んで、コピーしている間に、その資料を書き写しました。ニットのデザインや組織・柄いき等、新人の私に取ってはどれもこれも、勉強になります。何でも描いて描いて描きまくって、その時間を自分の『芸の肥し』にあてました。

後で聞いた話ですが、テキスタイル担当だけでは、デザイナーの仕事が出来ないので、カリスマコーディネーターが

「新人ちゃん、ちょっと借りるわよ!」

と、気を利かせてテキスタイルの上司に 一言お声がけ下さったそうです。

大組織で、違う職種を兼務する時って、実は、こういう気遣いがとっても大切なんです。

それは、私も10年後ようやくわかりました。

 

右も左もわからない新人は、頼まれた事をこなすだけで精一杯。

どうしても、どちらかに偏ってしまったり、どちらかが疎かになってしまうのは当たり前、仕方のない事です。それを、上手くバランスを取る様に調整するのは、管理職の仕事です。

中には、新人を私物化し、自分のアシスタントにしてしまおうとする、自己中心的な管理職もいますが、幸いな事に 私の上司は、とても人徳のある、素晴らしい方だったんです。

 

ワールドには、業務だけではなく、全体を見て、組織・人間関係を円滑にまわす力量のある先輩が大勢いらっしゃいました。

 

CORDIER の妥協しないものづくり

次に、ビーカー出し・色番決定を任されました。

製品に付ける色をカリスマコーディネーターが決定し、その色に色番を付けて、それを染色工場に出荷して、ビーカー染めを依頼するんです。

ビーカー染めとは、本当に少量の素材をビーカーで試験的に染める事をいいます。ブランドから送られてきた希望の色目をコンピューターで、染料の配分を分析します。

例えば、紫を作るには、赤と青を混ぜ、オレンジを作る時は赤と黄色を混ぜるのと一緒です。

 

 

↑こんな風に、LW (LOW WHITE)の糸や生地を、分析した染料配合で、ビーカー染めします。

 

ある日、カリスマコーディネーターから

「朝倉ちゃん、これビーカー依頼宜しく!」

と、次の展示会の決定カラーを渡されました。何気に見ると、そこには、白だけで3色も貼ってあるではあ~りませんか?!

 

『さすがに、これは間違いだろう・・・。どれか迷ってはがし忘れているのかな?』

と思い、確認に行きました。

すると、

<コーデ> 「これで合ってるわよ!何がおかしいの?」

<私>  「白が3色もありますし、これは微妙過ぎるので、1色に絞った方がいいんじゃないですか?」←当時は怖いもの知らずで・・・(笑) 言いたい事言ってました(^^;

<コーデ> 「あなたはデザイナーなのに、何故わからないの!!ブルーに合わす白と、ベージュに合わす白、白だけの白は違うでしょ!!!!」

<私> 「☆▽×●・・・。はい・・・。」

 

カリスマコーディネーター 圧勝!!

確かに!色彩学的にも・・・。その通りです。

 

しかし、こんな僅差ですよ~!凄いでしょ!!

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テキスタイル担当としては、効率を考えて、デザイナーに交渉すべき立場なんですが、カリスマコーディネーターの拘り、とても良く理解出来たので、というか、CORDIERはここまでするブランドなんだ!と誇らしく思えたので、生産や、MD、染色工場に意図を伝えて染めて頂きました。

 

よく、技術者は、経営者には向かないと言われますが、こういう所を指しての意見だと思います。確かに、拘りが強いあまり偏ったり、全体を見渡せなかったりしやすいと思います。

しかし、昨日<下町ロケット>を観ながら、技術者気質で偏っても、絶対叶えたい夢に向かって敵も味方も見分けず、周りを巻き込んで、猪突猛進する経営者は、これからの時代に合ってると思います。

自分が何者で、何が得意で、何がしたいのか?

が明確である事が、最も大切。

 

時代や空気を読むだけのコバンザメ経営者の時代は終わったな。っと実感。

 

 

 

 

今日は息子の16歳のお誕生日!! 急いで帰ります~!!

 

最後まで読んで頂き、有難うございました。こうしてコツコツ綴って参ります。これからも宜しく御願いします(o^―^o)