服飾デザイナーの現状

日本のトレンドアイテムは世界で通用しないのは何故?!

こんにちは!ジーンズソムリエ&Brand producer雜賀です。

ここ最近、中国のネット通販に出店してから、BUYMAや韓国ネットモールcte、暇さえあればチェックしています。

着易さ・着心地の良さでは、日本国内ブランドは秀でていると思いますが、個性や思い切りの良さというか斬新さについては、かなり低いと痛感しています。

これは、日本人の特性なんでしょうか?

私が大手アパレルでデザインしている時は、斬新なデザインや素材使いをするのは、客層を狭める要因になるので、出来るだけ個性を抑えて、BASICに少ーーーしだけポイントになるデザインを入れる様にしていました。結果、ほんの少し入れるだけでも「きゃー!個性的♡」って言われました。

又、日本は品質面でも厳しいです。素材も縫製も、丈夫で長持ちする物が良しとされています。だから、繊細なシフォンやオーガンジーはそれ専用の縫製でないと世の中に出せません。

使う場所等も限定されてきます。繊細な素材はよく擦れる部分に使うと劣化が早くなるからです。

こんな風に、厳しい品質基準を定めるのも日本人の特性だと思います。

その結果、日本国内ブランドは、品質は良いがデザインはイマイチ・・・と評価されがちです。どうしてもデザインを抑えてしまっているので、物足りない感じがするのです。

早い話、『遊び心がない』って事です(;^ω^)

 

一方、海外ブランドは、一瞬、可愛く華やかに見えますが、よく見ると襟ぐりやAHが着づらそうなシルエットになってたり、縫製が汚くてイマイチだったり・・・。デザインはユニークで遊び心満載ですが、長持ちはしなさそうな商品が多いです。

 

唯一、日本のデザイナーズブランドでは「sacai」が世界で評価され、日本人ならではの、緻密な計算の上で完成された重ね着風のユニークで完成度の高いデザインが世界でも評価されています。

 

日本国内ブランドも独自性を追求する時代

「sacai」は私も大好きなブランドです。一見着にくそうに見えますが、一枚でもサマになる魔法のアイテムだからです。斬新で遊び心一杯のデザインです(^▽^)

日本国内ブランドは、こうして個性を抑えるのではなく、個性を受け入れられやすい様に作り込む事が必要なんだと思います。

デザイナーブランドの様に個性も必要な時代です。

未だ専属デザイナーを置かず、MDやバイヤーがOEMメーカーの提案を受けて、セレクトする・・・という企画開発をしているブランドも未だに多いです。それでは、ブランドの独自性など出せる訳がありません。

ハード面重視のMDと、ソフト面重視のデザイナーが連動して、作り上げるのがオリジナルブランドです。MDやバイヤーが「何か提案して下さい。」と言ってるブランドは、いつまでたっても市場の同質化から脱出出来ず、価格競争に飲み込まれ、苦しい展開になります。

そのデザイナーが育ってない事も問題です。

他ブランドで売れてるものを、OEMメーカーに提案させて、少し変えて商品化したり、他ブランドで売れてる商品をZOZOTOWN等でリサーチして、それをデザイナーに仕様書作成させて商品化したり・・・。ここ10年はそういう物作りが主流でしたので、「デザイナーは要らない!」と隅に追いやられていました。

だから現在、デザイナーはアパレルメーカーではなく、OEMメーカーに就職する方が多いそうです。それを知った時は愕然としました。OEMのデザイナーは、自社に発注が入るデザインしかしません。ブランドの独自性は、自ブランドに置かないと出せません。

残念ながら厳しい状況ですので、独自性がないブランドは存続すら難しいアパレル業界です。
自社の事だけでなく、自ブランドの事だけでなく、業界が活発にするためにはどうすればいいのか?という視点で考えると、自ずと独自化出来るのでは?と思います。

 

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